アメリカの刑務所では蔵書においてはいけない本と言われています。
なぜならその本を読むと、さらにあくどい人間になってしまうからです。
その本とは「権力に翻弄されないための48の法則」です。
性善説では残念ながらこの世は生きにくいようです。
とはいえ、悪にもなりきれませんが、せめて48の法則を知って、悪の罠にはまらないように注意しましょう。
悪とまではいかなくても、要領よく生きている人、小狡く世間を立ち回っている人はみんな無意識に使っている技術かもしれません。

権力に翻弄されないとまではいかないかもしれませんが、ちょっと生きるのが楽になるかも……という程度の気楽な気持ちで呼んでくだされば幸いです。

それでは序章から解説していきます。

 

 

序章 パワーを持つのにストレートで行くのは禁物

 

「力が欲しい……」
力がなければこの世の中では生きていくのは大変辛い。
誰しもが思う願いです。
しかし、この本ではあからさまにガツガツと力を求めるのは禁物だと戒めます。
表向きは公正で正直なのを装いながら、裏ではずるく立ち回ることが重要です。
【二枚舌】を駆使することが勧められています。

会社生活を例にすると、上司の顔色をうかがわないといけませんが、 あまり媚びを売ったり、ごますりをしたりしていると、同僚たちに抜け駆けだとやっかみを受けます。
上司に可愛がられるにしても、同僚には気づかれないよう、足を引っ張られないよう目立たないようにしなければなりません。

仕事ではもちろん成果を求められます。
それには、多少強引なことも必要でしょう。
周りの反対があってもやらなければならないこともあります。
その上であなたが成果をあげても、今その成果を妬む人間が必ずいます。
成果をあげながらも、恨まれないように上手に裏と表を使い分けなければ。
自分のライバルを倒すにしても、直接ではなく間接的に手を打つことが大事です。
相手よりも数歩先を読んで、自分を優位に立たせる。

社会人生活は常に目配りと戦術を考えることが必要なルールのある戦争であると言えます。

 

お人好しは破滅の道

 

マキャベリは「常に善人であろうとする者は、善人でない多くの人々の中で破滅せざるをえない」と君主論の中で語っています。

純粋な気持ちを大事にするのはいいのですが、純粋な気持ちの人がずるい人によって騙されたり、利用されたり、痛い目にあってきたのを、あなたは人生の中で見てませんか?

世界の歴史は言ってみれば、ずるい人が正直な人を虐げてきた歴史と言えます。

中には、堂々自分を正直者だと言い社会と闘っている人もいます。
それは多くの敵を生み出す原因にもなります。
表立ってはいませんが、この世界にはずるいことをしていてしている人がいっぱいです。
ずるい人たちは、正直な人が邪魔で、排除しようとします。

歴史上の偉人たちがはっきりと正しいことを訴えて、暗殺されているのを見れば分かります。

多くの偉人が志半ばで倒れたように、殺されてしまえば、あなたのやりたいこと、望んでいることはかないません。

そのためにも、ストレートに活動するだけでなく、迂回しながら目的地に進む方法を勉強しまししょう。

純真であることを訴える人の正体

ポジティブシンキングやスピリチュアル系など、純粋な心さえ持てば、たいした努力もしないでスルスルと願っていることが叶うとか、自分のやりたいことをやり通していけば必ず夢は実現するとか言う人がいます。

そんな発言をする人には3種類います。

1・元々才能や力を持っている人

若くして自分のやりたいことに才能があり、努力して、トントン拍子に成功した人がごくごくわずかですか本当に実ざします。
そんな人は本心から「やりたいことをやりなさい」と訴えますが、本人は自分がものすごく幸運で才能持って生まれた恵まれた人間だとあまり自覚していないようです。
誰でも自分のように好きなことをやれば成功できると思っているのです。
しかしその言葉は、凡人にとっては酷い呪いの言葉にすぎないのです。

2・人の純粋さを食い物にする人

2の人は純粋さが大切だと本心から思っていません。
純粋さが大事だよと人には言いながら、その人を利用して食い物にする人です。
「僕といたらお金持ちになるよ」
と甘い言葉で釣って、お金持ちになるのは本人ばかりで、食い物にされた人はすっからかんになる図式です。
そういう人は、純粋な心で成功した1のような人を成功事例にあげます。
純粋な心さえ持てばあなたも1のような人になれるよと言うのです。
1の人も2の人に利用されていると言えます。

 

3・純粋さを食い物にする人に洗脳される人

 

3は2の人にすっかり騙されてしまった人です。
2の人は人を丸め込むのはお手の物。
口の上手い占い師のように当たり障りのないアドバイスをするので 、なかなか尻尾は出しません。
禁断の書の悪のテクニックをすっかり身につけている人です。
手酷い失敗をして、2の人の言うことがでたらめであったと気が付いた時にはもう手遅れです。
それまでは、信者になったように、その人の言うことを丸呑みします。
そうなると、周りの人がいくら警告してももう聞く耳を持ちません。
自分で失敗を経験するしかないのです。

 

まとめ

 

今回は「権力に翻弄されないための48の法則」の序章から、なぜ二枚舌が必要なのかを解説しました。
次回は引き続き序章二枚舌を使うための心構えをお伝えします。