精神疾患の家族が勝手に契約を繰り返す…探偵調査で行動を把握し、医師の診断とつなぐ現実的な対処法
高齢者の徘徊だけでなく、精神疾患があるご家族が、次々と契約をしてしまうケースも現場では少なくありません。サブスク、携帯、ローン、リボ、投資、謎の講座、訪問販売。本人は「必要だから契約した」と言う一方で、家族から見ると明らかに不自然で、生活が壊れていく。
この問題の厄介さは、家族が「おかしい」と感じても、本人が“契約している事実”だけは積み上がっていくことです。放置すると、金銭だけでなく信用情報や住環境まで傷つきます。
「契約してしまう」のは意思の問題ではない場合がある
精神疾患(うつ・双極性・統合失調症・認知症の周辺症状など)では、判断力が落ちたり、衝動性が上がったり、被暗示性が強くなったりします。本人に悪意があるわけではなく、「やらないといけない気がした」「断れなかった」「今なら得だと思った」といった形で契約が増えていくことがあります。
このとき大事なのは、家族が感情で叱っても止まりにくいことです。必要なのは“現実に何が起きているか”の把握です。
調査が役立つのは「行動の可視化」
通常、人は生活していれば痕跡を残します。
-
どこへ行ったか(移動ルート)
-
どんな店・施設を利用したか
-
誰と会っているか(特定できる範囲で)
-
どのタイミングで契約が起きていそうか
こうした行動を把握できると、家族の対処が“当てずっぽう”から“原因に当てる”方向へ変わります。例えば、特定の訪問販売エリアに繰り返し出入りしている、特定の店舗で長時間滞在している、毎週同じ場所で誰かと接触している、などが見えてくることがあります。
ここで重要なのは「本人を問い詰める材料」にするのではなく、医師・支援者に状況を伝える材料にすることです。本人がうまく説明できないことも多いので、第三者の客観情報が効く場面があります。
医師との連携で“取消し”の可能性が出ることがある
契約の取り消し・解約・クーリングオフ等は、契約の種類や時期、本人の状態、証拠の有無で結論が変わります。ここは探偵が断言できる領域ではありません。
ただ、現実として「契約当時、判断能力が十分でなかった可能性」を医師の診断書等で整理できると、交渉や手続きが前に進みやすくなるケースがあります。つまり、調査で把握した行動記録が、診断や支援計画づくりの“材料”になり得る、ということです。
ポイントは、家族の主観だけで「病気だから無効」と言っても通りにくい場面があること。だからこそ、
-
実際にどんな契約が、どの頻度で、どの導線で発生しているか
-
その前後で本人がどんな行動をしているか
を整理して、医療・法務側へ橋渡しするほうが現実的です。
早い段階で「止血」するほど被害は小さい
契約が増え始めた段階で、まず“止血”が必要です。銀行口座やカード、スマホ契約、郵便物など、入口はいくつかあります。ただし、これも家族が単独でやると揉めやすい。本人が反発して家出や徘徊につながることもあります。
だから、現状の把握→支援の導線づくり(医療・必要なら法務)→再発防止、という順番が安全です。調査は「犯人探し」ではなく、「現実を見える化して、関係者が動ける形に整える」ために使うのがいちばん強いです。



