離婚後、子どもに会えない父親たちがよく口にする言葉があります。
「ちゃんと養育費は払っているのに、元妻が子どもに会わせてくれないんだよ」
確かに、聞いている側としては「そんなひどい話があるのか」と思ってしまうかもしれません。しかし、それは本当でしょうか? 実際には、その多くが“見栄を張った嘘”である可能性が高いのです。
養育費を払っていない男性は7割以上
厚生労働省の全国調査によると、離婚した父親のうち、養育費を継続的に払っている人は全体の3割未満。つまり、7割以上の父親が実際には払っていないという現実があります。
にもかかわらず、周囲の男性たちは「払ってるよ」と平気で言います。なぜでしょうか?
その理由は簡単です。払っていないとは恥ずかしくて言えないから。男のプライドとして、「俺はちゃんとしてる父親だ」と見せたい。だから口では「払ってる」と言い張るのです。
「払っているのに会わせてくれない」は、だいたいウソ
本当に養育費を支払っていれば、元妻としても「子どものため」と割り切って、ある程度は面会を認めるものです。なぜなら、面会を完全に拒否すれば、相手が養育費の支払いを止めるリスクがあるからです。
つまり、「養育費を払っているのに会わせてもらえない」という状況は極めて少ない。むしろ、
養育費を払っていないから、会わせたくない。
これが真実です。
嘘をつく男性心理と現実のギャップ
ではなぜ、「払ってないから会わせてもらえない」と素直に言わないのでしょうか?
それは、自分の非を認めたくないから。
そして、自分が“父親としての責任を果たしていない”という事実から目をそらしたいからです。
口では「養育費は払ってる」と言いながら、実際は数カ月に一度しか振り込んでいなかったり、最初の数回だけ払って、その後放置していたりするケースが非常に多いのです。
にもかかわらず、「俺は払っているのに、あいつが子どもに会わせてくれない」と被害者面をする。
その実態は、加害者であるにもかかわらず、です。
本当に払っている人は、面会させてもらえている
本当に継続して養育費を払っている父親は、面会交流も成立していることがほとんどです。
もちろんすべてのケースではありませんが、元妻が理不尽に子どもとの面会を拒み続けるのは現実的ではない。なぜなら、裁判や調停になれば、元妻側が不利になるからです。
逆に、「面会できない」と不満を漏らしている人の多くは、調停すら起こしていない=本気で子どもに会おうとしていないという事実があります。
つまり、それは「会えない」のではなく、「会いたいほどの覚悟もない」のです。
嘘をつくことで、さらに子どもとの距離が広がる
養育費を払っていないのに「払っている」と嘘をつき、
子どもに会わせてもらえないと文句を言いながら何の行動も起こさない。
それでは、子どもへの愛情があるとは到底言えません。
愛情があるなら、まずは義務である養育費をきちんと払うこと。
そして、必要なら家庭裁判所で調停を申し立て、子どもとの面会を正式に求めること。
それが父親としての責任であり、覚悟です。
まとめ:「払ってるのに会わせてくれない」は信じるな
- 養育費を払っているのに会えない? → ほとんどは嘘です
- 男性は見栄で「払ってる」と言うが、実際は払っていない
- 本当に払っている人は、調停を通じてでも会う努力をしている
- 「払ってるのに会えない」という人がいたら、それは間違いなく払っていない人
口だけの言い訳を信じる必要はありません。
本当に子どもを思うなら、行動で示すべきなのです。