当社には、数年にわたって何度もご相談くださる依頼者がいらっしゃいます。特に目立つのが、1年おきくらいのペースで「パートナーの浮気調査」をご依頼いただくケース。しかも、毎回の調査で浮気相手は異なり、結果はいつも「黒」。つまり、パートナーは何度も異なる相手と浮気を繰り返しているのです。
調査前、依頼者は決まってこうおっしゃいます。
「今回は浮気していたら、もう離婚します。」
その言葉に、私たちは何度も耳を傾けてきました。しかし、いざ証拠が出た後でも、離婚に踏み切れない方は少なくありません。
離婚できない理由とは
浮気の証拠があるにもかかわらず、なぜ関係を続けてしまうのか。その背景には、いくつかの心理的要因が見え隠れします。
まずひとつは、「今度こそ変わってくれるかもしれない」という希望。どれだけ裏切られても、長く一緒にいたパートナーに対して、完全に信頼を手放すことは簡単ではありません。「今回は本気で反省してくれるのではないか」「やり直せるのではないか」――そんな思いが、離婚という決断を躊躇させてしまうのです。
次にあるのが、「信じたい」という純粋な気持ちです。人は、自分が大切にしてきたものを簡単には否定できません。たとえどんなに裏切られたとしても、パートナーとの時間や思い出、築いてきた家庭がある以上、簡単に「終わらせる」ことができないのです。
傷つくのは、心だけではない
浮気をされることは、心を大きく傷つける行為です。それに加えて、「何度も裏切られているのに、なぜか離婚できない自分」への自己嫌悪や、周囲に対する恥じらい、失われていくプライドとの葛藤も生まれます。
「自分さえ我慢すれば…」「子どものために…」と理由をつけて現状を維持しようとするものの、心の奥では「また裏切られるのでは」という不安と、「今度こそ信じたい」という希望が交錯し、精神的に追い詰められていくのです。
浮気する人の“本質”とは
私たちが多くの浮気調査を行ってきた中で感じるのは、浮気を繰り返す人の多くには共通する傾向があるということです。
それは、根本的に異性への関心が強く、自分の感情を優先しやすい傾向。また、相手がどれほど傷つくかという想像力や、共感性に欠けている場合も少なくありません。
「最近は落ち着いているように見える」と思っていても、それは単に“適当な浮気相手が現れていない”だけということもあります。つまり、浮気をする人の本質が変わっていない限り、機会さえあればまた同じことを繰り返す可能性が高いのです。
私たち探偵にできること
探偵である私たちは、依頼者の人生や結婚生活について「こうすべき」と判断を下す立場ではありません。離婚を勧めることも、関係の継続を助言することも、基本的には行いません。
私たちができるのは、事実を淡々と、正確にお伝えすること。その上で、依頼者がどう向き合い、どのような選択をされるかを尊重するのが私たちの役目です。
証拠は、気持ちの整理の材料であり、決断を下すための“現実”です。
離婚するか否か、関係を続けるか否か――それは依頼者ご自身が、ご自身の気持ちと向き合いながら決めていくべきこと。私たちトラスト探偵事務所は、その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただく存在にすぎません。