子どもからの依頼で、もう一つ増えているのが金銭絡みです。
「浮気してるっぽい」よりも切迫しているのが、「お金が消えている」「相手に貢いでいる」「資産が動いている」という相談。恋愛問題に見えて、実態は“家の資産防衛”の話になっています。

 

浮気は“恋愛”じゃなく“資産流出”になる――遺産・貢ぎ・使い込みが絡む調査の考え方

 

 

典型例:遺産が浮気相手へ流れている/流れそう

 

 

よくある火種はこうです。

  • 定期的に大きな振込や現金引き出しが増えた
  • 生命保険の受取人変更を匂わせる
  • 不動産の名義、持分、連帯保証などの話が出てきた
  • 「生前贈与」や「投資」の名目で資金移動がある
  • 認知機能の低下や孤独につけ込まれている気配がある

ここで怖いのは、浮気が“感情”ではなく“契約・名義・書面”で進むことです。一度動いた資産を戻すのは、感情の仲直りよりずっと大変です。

 

 

「貢ぎ」は見えにくい。だから行動と接触実態が効く

 

貢ぎは、明細だけ追っても確証が弱いことがあります。現金手渡し、プリペイド、ギフト券、家賃肩代わり、旅行代、車関連、スマホ代…形が多様だからです。
そこで効くのが、

  • いつ会っているか
  • どの場所に出入りしているか
  • 同伴者は誰か
  • 宿泊や長時間滞在があるか
  • 相手の生活圏・住所に接点があるか

つまり“お金の出口”を推理するために、“接触の実態”が必要になります。行動の証拠は、金銭トラブルの骨格になります。

 

探偵ができること/できないこと(ここを誤解すると危ない)

 

金銭絡みは焦りが強いぶん、違法手段に誘導されがちです。はっきり線引きします。

 

できること(一般に適法な範囲で設計されやすいもの)

 

  • 行動調査で接触・宿泊・交際実態の証拠化
  • 相手の特定(氏名・住所等)につながる裏付け(適法な情報収集の範囲)
  • 関係者の動線・頻度・パターンを時系列で整理
  • 弁護士へ渡しやすい報告書化(争点整理の材料)

できないこと(アウト)

 

  • 銀行口座の中身を勝手に調べる、ログインする
  • スマホの中身を不正に見る、ハッキングする
  • 侵入、盗聴、違法GPSの設置など

金銭の核心(通帳・契約書・口座履歴)は最終的に法的手段や正当な権限が必要になる場面が多いので、探偵調査は「接触実態と相手特定で外堀を埋める」役割に強みがあります。

 

相続・資産移動が疑われるなら、動き出す順番が重要

 

おすすめの思考順はシンプルです。

 

  1. まず“誰に”資産が流れている疑いがあるか(相手の特定)
  2. 次に“どの程度の関係”か(頻度・宿泊・継続性の証拠)
  3. その上で“お金の争点”を弁護士・専門家と整理(贈与、使途不明金、詐欺的勧誘、後見など)

順番を間違えると、家族が感情で爆発して相手に警戒され、証拠も資産も遠ざかります。相手は逃げます。資産はもっと見えない形になります。宇宙の法則みたいに、だいたいそうなります。

 

子どもが抱え込みすぎないために

 

この手の案件は、子どもが「家を守らなきゃ」と背負いすぎる傾向があります。でも、最終決定を下すのは親であり、子どもは“守るための材料を集める役”に徹した方が壊れにくい。
だからこそ、調査の目的を「親を裁くため」ではなく、「家族が現実的な選択をするため」に置くと、結果的にきれいに着地しやすいです。

トラスト探偵事務所