アメリカの刑務所ではおいてはいけないと言われる禁断の書「権力に翻弄されないための48の法則」解説第14弾。

今回は第11の法則をお送りします。

 

 

提言 法則11 他人を自分に依存させておくすべを覚えよ

 

自由でいるためには、常に人から必要とされ、望まれていなければならない。
人からあてにされればされるほど、こちらの自由は大きくなる。
他人の幸福と繁栄が自分次第となるようにせよ。
そうすれば怖いものは何もない。
相手に独り立ちさせないように、知恵は授けすぎないことだ。

 

生きる知恵をもつには相手に依存させて、自分は依存しないことが大切

 

法則11は、力を持つために人を自分から離れさせないようにするための方法が説かれています。
相手を自分に依存する状態にすれば、相手は自分から離れられなくなります。
それはまるで、薬物、ギャンブル、ゲームなど依存症の人が、依存する対象から離れられなくなるようです。
会社、家族、恋人、人間にも依存関係になります。
依存する相手が何も利用価値がなければ、ただ迷惑なだけですが、利用価値があると、思いっきりに搾取することができます。
今までの会社と社員はほとんど依存関係だったのでは、ないでしょうか?
少々不満があっても、「会社がなければ生きていけない」と信じこむと、会社から離れるのが怖くなります。
主導権は会社が握っているので、社員を思うように動かすことができます。
旧時代の社会は会社と社員の共依存関係で成り立っていたように思います。
でもだんだんとその図式も壊れてきました。

会社もそこまで一人の社員を会社に留まらせる理由もないし、社員も一つの会社に依存することができない、依存していては社会の中で生き残っていけないようになってきています。

禁断の書では、自分を必要とされるために「誰も真似ができない技術・強み」を作り出すことだと訴えます。

相手に依存するのではなくて、依存させる方にまわれば力を獲得し、自分のポジションが安定します。

 

野心を持った人間は力のない支配者や上司を探せ

 

安定を基準に考えると、必ず絶対に倒産しなさそうな大きな組織に入った方がいいようですが、禁断の書では力の強い主より、力の弱い主人か上司を探せとアドバイスしています。
大きな組織よりも小さな組織の方が力を発揮しやすいんですね。

小さな組織で頭角を現したら、主はは必ずあなたに依存します。
そうなると、あとはやりたい放題になる。

そのためには必要な人になることが必須です。
必要な人になれば簡単に放り出されなくなります。
その気になれば、主を追い出して、自分が主になることも可能ですが、あえてそこまでしません。
主を上手に盾として使って、自分は矢面に立つことなく力の恩恵を受けることができます。

 

力の究極の形は自主独立ではない

 

力を得ると言うと、組織の中に属するのではなくて、独り立ちすることだと思いがちです。
でも禁断の書は力は人間関係の中でこそ有効だと言います。
「他人を一切あてにするな」が信条の禁断の書としては意外な主張のように思いますが、
真の独立とは、他人に必要とされることだと言うのです。

最近はやたら、独立・フリーランスをあおる情報が多いものですが、形上の独立ではなく、自分の才能や独創的な技術で、組織の中で本当の独立を勝ち取ることです。

 

相手が依存する3つの力

 

人が頼りにする才能や技術には3種類があります。

 

集中的な技術

 

その人しかできない唯一無二の技術です。
禁断の書ではミケランジェロを例えにしていますが、ミケランジェロほどの技を持った人はそうはいません。
そうでなくても、どうにかして自分の存在を唯一無二ものだと演出しましょう。

 

拡散的な技術

 

集中的な技術とは逆に、拡散的なものです。
一つ一つの技術薄くても、その分野の全般的なことに詳しいから重宝されるものです。
様々なことに関与していたことから得られる人脈も武器になります。
ただし、集中的な技術よりは影響力は劣ります。

他人の秘密を知る

 

他人の秘密情報を握ることで、特定の人から不動の影響力を与えることができます。
しかし、秘密を隠すために殺されたり、脅されたり、自分やまわりに危険が及ぶのは間違いありません。
ひとときも安心できないので、おすすめできません。

 

まとめ

 

今回は禁断の書の法則の11をお伝えしました。

法則の11では、独裁支配も破滅的だと忠告しています。
利益を独り占めすると不満がたまり、不満をもった分子たちが団結して、独裁を打破しようと狙うからです。
相互依存の関係を築く方がいいのです。

もし相手が自分に依存するポジションを手にいれたとしても、それはけしてあなたが愛されているワケではありません。
マキャベリ曰く「愛されるより恐れられる方がいい」
相手はあなたの力に恐怖を感じているだけなのです。
愛や友情は移ろいやすいものですが、恐怖は長続きします。