普通の人よりも感覚が繊細で傷つきやすい所謂「繊細さん」はHSP=Highly Sensitive Person ハイリー・センシティブ・パーソン(子供の場合はハイリー・センシティブ・チャイルドになります)

ロンドブーツの田村淳さんがHSPを告白し、話題になりました。
実は、それほど珍しい存在ではなくて、なんと5人に1人はHSPと言うことです。

全く社会生活が送れなくなるほどの特性ではなくて、その性質をうまく自分で知って、コントロールすれば、逆にその繊細さを活かして、他に人にはない強みを発揮できます。
今回は武田友紀さんの「気がつきすぎて疲れるが驚くほどなくなる「繊細さん」の本」などからHSPに関する情報をまとめました。

 

HSPの特徴とそうなる仕組み

 

「職場で機嫌の悪い人がいると気になる
「人と長時間いると疲れてします」
「小さなミスに気がついて仕事に時間がかかる」
これらの繊細な人は昔からいましたが、長らく性格上の課題と言われていましたが、生まれつきのものだと分かりました。
脳の神経システムが生まれつき刺激に反応しやすく、神経が高ぶったり、警戒しているときに分泌されるホルモン・コルチゾールも多く出ることが分かっています。
人間だけではなく動物にも、生きのびるために大体15~20%ほどが刺激に敏感な個体がいるようです。
繊細さんのこの性質は根本的に治そうと思っても不可能です。
無理にメンタルトレーニングなどをして「気にしない」努力をしても、ムダなようです。
それよりも気づいたときにはどう対処したらいいのか具体的に対処法を知るべきです。

 

繊細さんにもいいところがある

 

小さなことに気がつくのは悪いことばかりではありません。
自分のまわりにあるいいものに気づき、深く味わうことができるのです。
普通の人では気がつかない、幸せのたねにも気づける力があります。
しかし、痛みやストレスの方が多い状況だと、まわりにいいことがあっても気づきにくくなります。
つまり、痛みやストレスを消すことで、繊細さんの長所が出てきます。

 

考えすぎて動けない場合は「とりあえず」で解決!

 

繊細さんが仕事の上で直面するのは、まわりを考えすぎて、仕事の初動が遅くなってしまうことです。
非繊細さんであれば、考えずにひとまず動いているうちに、自然と仕事の見通しが経っくる場合があります。
繊細さんも実行前からあれこれ考えるより「とりあえず」行動を頭にいれると、繊細さんの短所を補って、長所を活かした仕事ができるようになります。

 

繊細さんの悩みの共通点

 

繊細さんは相手の感情、仕事の改善点、気づいたことに半自動的に対応し、振り回されています。
たとえば自分の本音では自由なアーティストとして生きたいと思っていても、親の意見に耳を傾けすぎていつの間にか、自分の本音は消えてしまい、気がついたら安定した職業しか選択肢になくなっていたりします。
繊細さんは「こうしたい」という自分の本音を大切にすることで、繊細さんの辛さはドンドン減っていき、見違えるように元気になっていきます。

 

刺激からダメージを減らす工夫

 

前述した通り訓練によって感覚を弱めるのは至難の業です。
ですから物理的に五感に触れないようにするのが効果的です。
視覚はメガネやコンタクトレンズの度を落として、はっきり見えすぎないようにする。
伊達メガネや縁の大きいメガネであえて視界を狭くして、全体がクッキリ見えないように工夫する。
聴覚は耳栓やノイズキャンセリング機能ついたイヤホン、ヘッドフォン。
イヤホンでお気に入りの音楽を聴く。
触覚は自分が心地いい素材を着るようにして、好きな色の服や小物を身につけるようにする。
嗅覚はマスクをする、アロマをつける、気に入ったアロマや香水、ハンドクリームをつける。
やりすぎかと思われるかも知れませんが、繊細さんは知らず知らずのうちに外部の刺激に敏感でダメージを受けています。
意識的に遮断することで、いかに五感の刺激に影響を受けていたか自覚するでしょう。
どこまで刺激にケアをするべきか?
武田さんは人類が洞穴で暮らしていた大昔を基準に考えるといいます。
洞穴の暮らしを考えたら、いかに人類は刺激過多の暮らしをしているかが分かりますね。
家族がいる場合は事情を説明し、家族のせいではないことを理解してもらって心おきなく休みましょう。
エネルギーが回復したら自然と動けるようになっています。

 

繊細さんは非繊細さんが理解できない

 

繊細さんはあまりにも気持ちが分かりすぎて、全く相手の気持ちが理解できない非・繊細さんの気持ちが理解できません。
たとえば繊細さんなら相手が不機嫌であるとそれがひどく気になってしまいますが、非繊細さんにとっては自分の不機嫌がなぜそこまで苦痛なのか、そもそも不機嫌な態度が伝わっていることすら気がつきません。
身近な人と分かりあえないのは辛いですが、自分の本音を出せばおのずと表に出している自分に合う人が集まってきます。