アメリカの刑務所ではおいてはいけないと言われる禁断の書「権力に翻弄されないための48の法則」解説第12弾。

今回は第9の法則をお送りします。

 

 

提言 法則9言葉ではなく行動によって勝て

 

議論を通じて勝利を得たように思えても、それは結局、束の間の努力にそぐわない勝利に過ぎない。
相手は一時的に意見を変えるかもしれないが、心に掻き立てられた怒りと悪意はずっと根強く残っていく。
それよりも、一言も発することなく、行動で相手を納得させる方がはるかに強力である。
くどくど言わず、実証してみせることだ。

 

頑固な人の気持ちを変えるには結果を見せる以外にない

 

上司や先生や親、第一法則でもお伝えした通り、「自分より目上の人より目立ってはいけない」法則があるので、正面から目上の人に正論を訴えても聞き入れてもらえないでしょう。
あなたがまだ上の人を納得できるほどの結果を出していなければなおさらです。

とは言え、上の人は既に感覚が古く、あなたの意見の方が正しい場合もあります。
そこで禁断の書が再三にわたって言うように、直線ではなく回り道をする方法をとります。

上の人が言うA案と同時に、あなたの考えたB案も並行して準備をしておきます。
どちらになっても結果さえでれば、相手は文句を言わなくなります。

 

制約だらけの中で結果を残すしか這い上がる道はない

 

2021年放送のドラマ「書けないッ!? 脚本家吉丸圭佑の筋書きのない生活」では、プロデューサーや俳優の要求に振り回されるシナリオライターを描いています。
シナリオライターは様々な条件の中で、面白い作品を作り出さないといけません。
自由に見える仕事でも、実は様々な制約に縛られています。
失敗すれば自分の責任。
この中でも結果を出さないと、次のチャンスはいつ来るか分かりません。
相手の要求を飲みながら、自分のポリシーを守る。
これを乗り越える人は、相当力量がある人でしょうし、依頼主と直接ぶつからないためにも禁断の書の序章で紹介した、目上の人より目立たない、感情のコントロール、忍耐強さ、仮面をかぶること、などなど今までの法則を総動員しないと難しいようです。
仕事での実力を高めながら、48の法則を自分のものにしたら最強かもしれません。

 

言葉はあてにできない

 

禁断の書は言葉に頼るのは危険だと警告します。
いくらいい言葉を投げかけても、マイナスにとるかプラスにとるかは相手次第です。
また、時間の経過によっても受け取り方は変わってきます。
そのためには結果を示して相手を納得させるしかないのです。

 

例外 言葉が有効な場合もある

 

禁断の書は矛盾する言葉を平気で乗せています。
【逆もまた真なり】ですね。
一見矛盾したこともまた真実になるのです。
ということで48の法則もかける2になって96個あるということです。
寡黙であることを勧めながら、反対に饒舌であることも有効であると言うのです。
今回の場合も、言葉は信用できないといいながら、ごまかしや時間稼ぎのために、言葉は必要だと言うのです。

実力がある時と世間から認められるにはズレがある

 

モハメド・アリが世界的なボクサーである世界が認識された時には、実は彼のボクサーとしてのピークは終わっていました。
彼の全盛期は本名のカシアス・クレイの時代でした。
ベトナム戦争の時の兵役を拒否したため、ボクシングができない時代があったのです。
そのブランクのために、復帰後彼はボクシングスタイルを変えなければならなくなりました。

本当に実力がある時と、名誉と地位がある時がズレているのです。
バラエティーでメインMCをしているタモリさん、明石家さんまさん、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンみんな若い頃は、ネタをやったりコントをしていたのです。

でも、それからもう30年以上過ぎているので、若い人たちでレジェンドたちが現役だった時代を知っている人は少ないでしょう。
ずっとコントをやり続けた人は内村光良さんか亡くなった志村けんさんぐらいですね。
「なーんであいつがあんなにリスペクトされているんだ」
と思いますが、レジェンドたちにもがむしゃらに頑張った時代があったのです。

相撲では「3年先の稽古」と言います。
今、努力していることの成果はすぐに出ないかも知れませんが、努力をし続けていれば必ず努力したなりの成果は出るものです。

 

成果の恩恵は永遠じゃない

 

またボクシングの話になってしまいますが、モハメド・アリと同じくマイク・タイソンも世界チャンピオンになる前が全盛期でした。
それは名トレーナーカス・ダマトの指導を受けていた時です。
ところがカス・ダマトはタイソンが世界チャンピオンになる前に死んでしまいます。
ダマトと一緒にいた時の蓄積があったので世界チャンピオンを奪取することができました。
しかし、連勝記録を重ねた頃からタイソンは私生活にトラブルが目立つようになりました。
栄光に溺れてしまい練習を怠り、チャンピオンの座から転げ落ちます。
いい地位を手にいれても、油断せずに努力しなさいと言うことです。

 

まとめ

 

今回は禁断の書より法則9「言葉ではなく行動によって勝て」についてお伝えしました。
禁断の書だからと言っても、楽してうまくいく方法やズルして要領よくやる近道は教えてくれません。

何事もコツコツやっていくしかないようです。