アメリカの刑務所ではおいてはいけないと言われる禁断の書「権力に翻弄されないための48の法則」解説第10弾。

今回は第7の法則をお送りします。

 

 

提言 法則7他人を自分のために働かせよ、ただし手柄は決して渡すな

 

人の知恵や知識や努力を使って、自分の目的を推進せよ。
こうした助力を得ることで、貴重な時間とエネルギーが節約できるだけでなく、有能で仕事が早いという神のごときおおらか獲得できる。
何助力者の名前は忘れられ、自分の名前だけが世に残る。
他人にやらせられることを自分でやるものではない。

 

悲劇の天才ニコラ・テスラ。歴史的大発明をしても、自分の名前がつかなければ、

苦難の人生を歩むだけ

 

発明王と言えばトーマス・エジソン。
でもニコラ・テスラの名前を知っている人は少ないでしょう。
電気自動車のメーカーの名前は彼が由来です。
テスラも数多くの発明品を開発したにも関わらず、ほとんどの手柄を人に奪われてしまい、名前を残すことができませんでした。
エジソンの会社で、発電機の改良に不眠不休で取り組んでも与えられた報酬はごく僅かでした。
独立して交流電気系統を開発しても、ステラの開発のが優れているのに、エジソンに妨害されてうまくいきませんでした。
その開発も、特許権使用料を奪われてしまいステラは発明の恩恵を受けることができませんでした。
ステラの自伝を読むと、彼は科学者にもかかわらず、彼は精神的な部分を大事にする人だったようです。
お人好しすぎて、仕事に没頭するあまり、自分の権利を守ることにはあまり関心が向かなかったようです。

Apple の創設者スティーブ・ジョブズはゼロから新しいものを生み出した輝かしい成果を生み出した経営者の一人ですが、実際にコンピューターを開発したのはもう一人の創設者スティーブ・ウォズニアックでした。
ウォズニアックが開発したコンピューターを売り込んだのがジョブズで、儲けのほとんどの権利をジョブズは独占しています。
ウォズニアックもまたものづくりに没頭するタイプで、抜け目なく自分の権利や利益を守るジョブズにいいように利用されたようです。
それでもウォズニアックはけしてジョブズを悪く言う事はありませんでした。
お人好し過ぎる!

優秀な人間を自分のために働かせて、権利は横取りする。
名前の残した起業家は多かれ少なかれ、ずるい部分を持っているようです。

 

自分の手柄を守れ

 

禁断の書はジャングルの動物たちに例えています。
肉食動物が獲物を仕留めようとしても、上からはハゲワシ、地上にはハイエナが獲物を横取りしようと狙っていると言います。
成果を達成する努力をすると同時に、横取りされないように周囲に目を配らないといけないと言います。

 

他人の仕事を自分の目的に利用せよ

 

自分の名前がブランドとして確立したのならば、今度は他人を自分のために働かせた方が効率が良くなります。
映画は大勢のスタッフが集まってひとつのものを作り上げていきますが、作品が完成して賞賛されると、栄光は全て監督の元に集まります。
宮崎アニメ、新海アニメと言われるように全ては監督の手柄になります。

 

人類の過去の遺産を上手に使え

 

合法的に他人の力を利用するのは構いませんが、人の手柄をむやみに横取りしたり、盗んだりすると、自分の地位と名声が危うくなります。
現在生きている作家のものを盗用すれば、著作権違反になり、著作権違反にならない程度にせよパクリと罵られます。
そこで有効なのが、著作権がフリーになった過去の作品や作家、人類が残した叡智を利用することです。
シナリオライターの桂千穂さんは著書「シナリオはイタダキで書け!」で、全ては映画やドラマは過去に作られた作品を下敷きにして作られていると語っています。
あくまでも下敷きなので、完成したものは元の作品とは全く別物になります。
シェイクスピアの残した戯曲でさえ、過去に作られた戯曲を基にして作られていると言います。
ノーベル賞を受賞するような画期的な開発や発見をした人たちでも、先人たちの叡智の蓄積があってこそです。

 

状況に応じて手柄を使い分ける

 

状況によっては、自分の権利を主張すると、立場が危うくなる場合があります。
例えば、上司が手柄を自分のものにしようとする時です。
これは第一法則の「主君より目立ってはならない」にあたります。
この場は上司に譲った方が、後々禍根を残さないためにも無難でしょう。
逆に自分の部下の手柄は自分がもらっても問題ないでしょう。
しかし、最近の社員は権利を主張してくるので、これからは難しいかもしれません。

 

まとめ

 

今回は法則7他人を自分のために働かせよ、ただし手柄は決して渡すなについてお伝えしました。
新しいものを作り出す努力、発想は大事ですが、自分の権利を守ることも社会を生きる上では大事ですね。