交渉と言えば、相手の主張を論破して、一方的に自分の有利な条件をとりつけるイメージがあるかもしれません。
でももし交渉する相手が、仕事場・家庭などにいる身近な相手だったらどうでしょうか?
たとえその場の交渉を自分に都合のいい条件で終えることができても、長期的に見たら、
わだかまりが残って、自分にとっても損してしまいます。
「おとしどころの見つけ方」の著者・松浦正浩氏は、交渉とは「複数の人間が未来の事柄について話し合い、協力して行動する取り決め」と定義しています。
だから、仕事もプライベートも交渉。
「人生=交渉」という考え方ですね。
そうなると、自分も相手も納得できる交渉を心がけることが大切です。
では、具体的にどういう考え方をすればいいのか?
交渉に対する考え方をお伝えします。

 

 

ステップ1・相手の立場と利害の差を見つける

 

たとえば、独身のA君が彼女Bさんと旅行に行く場所を決めるとき、Aさんは九州、Bさんは沖縄がいいと主張したと言います。
これを2人の「立場」と言います。
2人が行きたい場所がバラバラで、話合いは平行線になりそうです。
でも「立場」はタテマエで、実は立場の裏には「利害」つまり本音が隠れているのです。
実はA君が九州に行きたい理由は、ドライブとグルメを楽しみたかったから。
また、Bさんが沖縄へ行きたい理由は、海が見えるリゾートホテルに泊まりたかったら。
2人の本音を照らし合わせると、目的は場所ではないことが分かります。
自分と相手の利害の隙間に交渉の余地が隠れているのです。

代替案を用意しておく

 

A君の利害がドライブ、グルメ。Bさんの利害が海のリゾートホテルということが分かりました。
その次に大事なことは、1番望む条件とは別に代替え案を複数用意しておくことです。
もし代替案を用意しておかなければ、相手の言いなりになってしまうからです。
2人の利害が一致すれば、場所にこだわる必要がなくなります。
ドライブ・グルメ・海・リゾートホテルが一致する場所をいくつかピックアップすればいいのです。
この代替案をBATNA(バトナ)と言います。
「そんな、代替案なんて、なかなか出てこないよ」
というのは情報収集が情報収集が足りていない証拠です。
もっと情報を幅広く集めて、条件に合致する代替え案を作成することが大事です。

 

相手の代替案と自分の代替え案の間におとしどころがある

 

次に相手の代替案も想定します。
A君はBさんが考えるであろう代替案も想定しました。
相手の代替案と自分の代替案の間におとしどころがあります。
大事なのは交渉の目的は利害を満足させるこで、自分の条件を獲得することではありません。
もし九州にこだわって交渉を押し切ったとしても、Bさんとわだかまりが生まれたら、
最悪の場合、Bさんとのおつきあい自体がうまくいかなくなることにもなりかねません。
おとしどころを見つけるには、特定の解決策にこだわらず、柔軟な姿勢で取り組むことが大事です。

A君とBさんは交渉の結果、沖縄に行って、それぞれの目的を活かした旅行をすることにしました。

 

交渉には中長期な視野で望むことが大事

 

交渉の条件は、目先の利害にとらわらず、長い目で見て利益になること考えることが必要です。
当初、BさんはA君とスキューバダイビングをする予定でした。
ところが、A君は実は潜るのが苦手だと告白しました。
そこで、Bさんはスキューバからシュノーケリングに変更しました。

Bさんがここで、自分の好みを押し切っていたら、のちのちの2人の関係にヒビが入る可能性もありました。

中長期な視点から見たら変更して正解だったと言えます。
Bさんが代替案を用意していたからうまくいったのです。

 

交渉が決裂した場合、交渉後の不測の事態のことも想定しておく

 

交渉は何が起きてもおかしくありません。
あらかじめ最悪の状況を想定しておくことも大事です。

たとえばA君とBさんなら別れてしまうことも想定すべきでしょう。
最悪のことを想定したら、そうならないために対処できるし、なった場合の対処もできます。

また、交渉が無事に成立しても、その契約が無事遂行されるかどうかは定かではありません。
不測の事態を想定して、
契約は最初は小規模からスタートして、段階を追って規模を拡大する。
また、もし〇〇が起きたら〇〇すると言ったような、条件つきの合意をするなどの対策が必要になります。

 

まとめ

 

今回は、現実的に交渉を成立させるおとしどころの見つけ方をご紹介しました。
「おとしどころの見つけ方」は漫画で分かりやすく交渉学を解説してくれるおすすめの本です。
魔法のように、劇的に人を動かせる方法ではありませんが、実際に役に立つ方法です。
参考にしていただけたら幸いです。