「ハイクラスな生活」のはずが、すべてはメッキだった…

 

女性はようやくバラ色の人生を手に入れたかのように見えていました。
憧れのモンクレールのダウンをペアで購入し、インスタへ投稿。これから待っているはずの“ハイクラスな生活”に胸を躍らせていました。

 

専業主婦として子育てに忙しい日々を過ごしながらも、特に不自由は感じません。夫・Kさんは毎日作業着で軽バンに乗り、現場に出勤。「社長こそ現場を知っておくべき」と語り、自ら現場を仕切る姿に尊敬を抱いていました。

 

しかし―
待てど暮らせど、生活はハイクラスにはなりません。外食といえば定食屋やタバコの煙が充満した居酒屋ばかり。結婚当初に夢見た華やかな生活とは程遠いものでした。

 

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養育費トラブルで浮かび上がった“違和感”

 

不安を口にした女性に対し、Kさんはこう説明しました。
「将来の夢や野望のために今は節約している。もう少しで、公共工事の入札資格が得られるから、大きな仕事を落札できるようになる」

 

一見すると将来性を感じさせる話でした。しかし、女性が調べてみると、その言葉には大きな疑問が。

そもそも公共工事の入札に参加するには、一定の経営規模や実績、専用の建設機械や人員体制が不可欠です。
ところがKさんの会社には、トラックはもちろん、道路工事に必要な重機や資材を扱う設備すら一切ありませんでした。
スコップの一本すらなく、従業員といえばアルバイトのような中年男性が1名だけ。
実際にKさんが現場へ向かう際の持ち物は、ヘルメットとリュックだけという簡素な姿。

つまり「入札で大きな公共工事を取れる」という話は、最初から現実味のない幻想に過ぎなかったのです。

 

その矢先、Kさんの前妻から「養育費不払い」を理由とした訴状が届きました。
Kさんは「慰謝料と養育費はすでに一括で現金払い済み。元妻が二重取りをしようとしている」と主張しました。
しかし、裁判所に提出された書面には“現金で支払った証拠”は一切添付されていませんでした。

 

それどころか、出会った当初にKさんが乗っていたアルファードは、実は前妻の両親から買ってもらったもの。
しかしKさんは離婚の際、自分名義のままにして車を売却し、その現金を手にしていたのです。
その返却を求める訴えまでもが記載されていました。

さらに、前前妻との間には子供のために妻の親が積み立てていた学資保険がありましたが、Kさんはそれを勝手に解約して使い込んでいました。
この件についても、返還を求める裁判が起こされていたのです。

調べを進めると、現在暮らしている家の不動産登記簿謄本には驚くべき事実が。購入時の名義は元妻が9割、Kさんはわずか1割。つまり、住宅ローンを組めなかったKさんが、医療従事者としてキャリアを築いていた元妻の名義に頼らざるを得なかったという事情が浮かび上がったのです。

そしてもう一つ、女性にとって衝撃的な事実が明らかになりました。
実はKさんはこれが4度目の結婚。過去3人の妻との間には6人もの子供がいるにもかかわらず、養育費は一切支払っていなかったのです。

女性の胸に広がったのは—やはり「おかしい」という強い不信感でした。

 

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高級車も“残クレ”だった

 

そんな状況にもかかわらず、Kさんは新型ベンツに乗り換えていました。営業担当者に確認すると、実際には「残価設定ローン(残クレ)」で購入していたのです。

残クレは月々の支払いを安く抑えられる反面、トータルで見ると金利負担が大きく、期間終了時には「車を返却する」か「残価を一括で払う」かの選択を迫られます。現実には、一括払いができる人は少なく、結局は次の車もまた残クレで契約し直すことに。つまり、ローンが終わっても車は手元に残らず、“次の借金”に乗り換えざるを得ないのです。

見栄を張って高級車を維持しようとすればするほど、借金の連鎖から抜け出せなくなる。まさに“アリ地獄”のような仕組みでした。
結局、Kさんが乗っていたベンツは資産でも成功の証でもなく、彼の「社長」を演出するための道具にすぎなかったのです。

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社長業ではなかった

ある日、女性は偶然Kさんが現場で道路工事をしている姿を目撃しました。
ヘルメットをかぶり、汗だくになりながらスコップを握るKさん。その背後に停まっていたトラックには、大きく社名が記されていました。

不審に思った女性が通帳を確認すると、毎月その社名と同じ会社から振込がされていることが判明。問い合わせたところ、返ってきた答えは意外なものでした。
―「Kさんには日当で働いてもらっています」ー

つまり、Kさんは「社長」という肩書を持ちながらも、自らの会社で大きな仕事を動かしていたわけではなく、実際には一労働者として現場に立っていただけだったのです。
女性が信じてきた“代表取締役社長”という姿は、肩書だけの張りぼてに過ぎませんでした。

残クレアルファード・マッチングアプリ婚の実態②道路工事

すべては“メッキ”だった

 

マッチングアプリで出会った当初、彼が見せていた「ハイクラスな暮らし」「成功者としての姿」は、すべて虚像。ブランド品や高級車で飾り立てた外側のメッキは、結婚後の生活の中で次第に剥がれ落ちていきました。
それに気づいたのは、子供が2人生まれた後でした…

 

結局、女性が手に入れたのは「華やかに見せかけた現実」と「想像とは違う結婚生活」だったのです。

 

このようなケースは、婚活やマッチングアプリを通じた交際で少なくありません。外側のステータスや一時的な派手さに惑わされ、真実を見抜けないまま結婚に進むと、後から大きな後悔に繋がります。

 

探偵事務所にも「相手の素性を調べておけばよかった」という相談が後を絶ちません。結婚は人生を左右する大きな決断。だからこそ、交際中に相手の実態を調査しておくことは決して無駄ではありません。

トラスト探偵事務所