探偵の仕事でも重要なのが聞き込みです。

今回は探偵の聞き込み、情報術をお伝えします。

刑事ドラマの聞き込みと全く違う!

聞き込みと言うと真っ先にイメージするのが、刑事ドラマです。
バッチを出したら、すぐに市民が情報を、教えてくれると思われがちですか、探偵の場合はそうもいきません。
調査対象が限定されているから、なにより調査していることがバレてしまっては元も子もありません。

ましてや、古い例えで申し訳ありませんが刑事コロンボや古畑任三郎のように、一番疑わしい人に直接聞き込みをするのは厳禁です。

「あなた不倫してませんか?」

とはさすがに言えませんね。

相手に警戒されて、できる調査もできなくなってしまいます。

 

 

聞き込みは準備が命

聞き込みを無作為にいきなりしても、無駄足になったり、不審がられたりして調査の邪魔になってしまいます。
まず、聞き込みをする場所の下見、事前調査が重要にです。

聞き込みで重要なのは、調査依頼された時の情報の確かさ、くわしさです。

情報がくわしくて確かなほど、聞き込みがスムーズにいきます。

土地柄の把握

周囲の地理地形、環境、住んでいる人の生活水準、人の出入りの多さ少なさ、流れなどを把握します。

これはまたのちに尾行や行動調査をするときの調査対象の行動パターンや範囲を想定するのにも役立ちます。

たとえば調査対象が社内不倫をしているならば、この近くのホテルを使うなど、調査員は長年の調査経験から、何人もの行動様式を把握しています。
下見をするだけで、だいたい読めてくるのです。

聞き込みの時間帯、服装

次は聞きこむ時間帯や服装を決めます。

以前張り込みこ時に解説した「架空の設定」が重要になってきます。

聞き込み対象がいそうな時間帯に訪問して、質問してもおかしくない設定にする必要があります。

おかしくないからと言っても、宗教の勧誘や集金人などだともともとが嫌われてしまうので絶対NGです。
道路に面していたら路上看板の営業なら、空地が多い場所ならマンションを建てる土地を探している不動産屋など、状況に応じた設定を考えます。
ただし、凝った設定にするとボロがでるので、自分が経験している仕事か、知識を持っているジャンルの仕事がベストです。
ボロが出そうになったら上手に逃げろのが先決です。

裏付け調査が必須

聞き込んだ情報はあくまでも未確認情報です。
噂ばなしや憶測の類かも、知れません。
場合によっては、事実とは全く逆の情報である場合もあります。

聞き込んだ情報は必ず裏をとって事実確認する必要があります。
またまた刑事ドラマのたとえになりますが、チームで捜査して、聞き込んだ情報を違う刑事が別のルートで調査して裏取りをしています。

DVやストーカー対策の依頼では、聞き取りをすると、被害者である依頼主に、悪い噂がバラまかれていました。

被害者が大人しいことをいいことに、被害者の悪口を言って、近隣から孤立させていたのです。
被害者に近しい人が、言うことなのでまわりは加害者の言いなりに、信じでしまいます。
周囲に頼れる人がいなくて、被害者は加害者から逃げ出しました。

直接調査対象に聞き込みしないのと同じように、
遠まわしに聞くのが鉄則です。
Aさんを調べるのに、直接Aさんに行かずに、隣りのBさんやCさんのことに興味を持っているようにみせて、さり気なくAさんの話を聞き出す。

ここでのポイントは、相手はただ他愛もない世間話をしただけ、と思わせること。
少しでも情報を、引き出したとは悟らせないことです。
このあたりは、刑事というよりもスパイや忍者に似ていますね。
絶対に自分の素性を気取られてはいけないのです。

聞き込む相手や相手の情報を注意深く観察することも、重要です。
「聞く前の」観察力が身につけば、聞き込みの能力は格段に向上します。

入手した情報をパズルのようにはめていく!

聞きこみや周辺で仕入れた情報を入手しただけでは、ただの情報の断片になります。
ピースの足りないパズルのようで、欲しい情報がすべて手に入るわけではありません。
あとは

・実際に尾行、張り込みを続けながら足りない情報を埋めていく
・推理・仮説で足りない部分を想像する

尾行、張り込みは探偵の得意分野です。
推理・仮説で埋める時は、探偵として経験を積めば積むほど注意が必要です。
経験則にもとずいて、決めつけをしてしまう危険があるのです。
いわゆるバイアスが働くんですね。。
経験による勘も大切ですが、まっさらな目であらためて情報を俯瞰することが大事です。

探偵の仕事は聞き込み、尾行、張り込み、どれが欠けても務まりません。

聞き込み能力が上がると、その他の能力も飛躍的に向上するのです。