浮気調査をしていると、ターゲットとなる男性が風俗を趣味にしていることがたまにあります。

 

昔からの風俗店と言えば店舗型のものが多いですが、ここ最近の風俗といえば風俗嬢をホテルや自宅などにデリバリーする通常デリヘル。また、インターネットの発達によりネットを通じて個人売春などを行う人間や、違法営業の風俗デリバリーグループなども増えています。

 

 

風俗産業は依然にもましてその勢いを増やしており、最近では一見して風俗だとわからないような営業形態も増えており、世間の旦那さんの中には人知れず風俗を楽しむような人も増えています。

 

では、風俗関連で異性と性交渉を行う場合、その行為は浮気だと言えるのか?

 

この問題について探偵の目線から詳しく解説させて戴きます。

 

■法律上では風俗通いは浮気に当たらない

 

民法において浮気は「不貞行為」という言葉によって定義付けられています。

 

不貞行為とは、「配偶者以外の特定の異性と」「好意に基づき」「性交渉を行うこと」を浮気とみなすという法律用語だと覚えておいてください。もしこの不貞行為にあたる行為があったとわかれば、離婚請求や慰謝料請求などの権利が浮気をされた側に与えられます。

 

では、風俗通いは不貞行為に該当するのかというと、それは大半の場合該当しないとされています。

 

■風俗通いは好意に基づかない

 

風俗通いが不貞行為だとみなされない一番の原因は、不貞行為の定義の一つである「好意に基づく」という部分が欠けているからです。

 

この世にある風俗は性的なサービスを提供することにより対価をもらうことで成り立つビジネス。つまりお金が絡む性行為となります。

 

例えば、風俗を利用する客が特定の風俗嬢に入れ込んでいたとしても、相手はただ仕事だから性行為を行っているわけですよね。これを「好意に基づく」ものだと断定するのはかなり難しいです。

 

これは個人売春などでも同じく、性交渉の対価としてお金を支払っている時点で好意を成立させることがとても難しくなり、大半の風俗関連行為が不貞行為と認められない原因となっています。

 

 

お金を支払うという意味では、風俗だけでなく、金銭が発生するあらゆる性交渉が対象となります。

 

例え友人や知人相手の浮気であっても、もしそこに対価となるような金銭や、金銭に等しいもの(不動産、車などの物的財産や社会的地位など)が性交渉を行う対価として支払われているなら、不貞行為であったとみなすのはかなり難しくなります。

 

ただし、性交渉の対価ではなく、関係を保つためのプレゼントや生活を保護する目的の金銭であれば問題はありません。不貞行為とみなされないのは、あくまで性交渉に対する対価が支払われたかどうかです。

 

 

■風俗における性交渉はサービスである。

 

 

風俗における性交渉は、店舗側によるサービスであるという認識が一般的です。

 

そのため「特定の異性」との性交渉があるとは限らず、不貞行為に該当するかはわかりません。

 

風俗店を趣味とするような男性は、特定の女性のみを指定して利用するよりも、複数の多くの女性からサービスを受けることを望みます。どこの店の女の子は良いと思っても、他の店で別の女の子からサービスを受けます。

 

特定の異性との性交渉が無い限り、そこに好意があったことも証明できません。

 

浮気があったとみなすには、風俗がサービス業であり、浮気をしたという人物がサービスを受ける側という状況は明らかに不利なのです。

 

 

■性交渉がったかわからない

 

不貞行為における最後の定義である「性交渉」ですが、これも風俗店に通う人間がどこまでの行為を受けているか判別が付か無いので証明が難しくなります。

 

性交渉は読んで字のとおりの意味ですが、基本的に風俗店では性交渉は風営法により特定の業態(ソープなど)でしか合法化されていません。

 

よって、ソープなどに通っていない限り、そこでどのような行為があったかは店側が提示するサービス内容からしか推し量ることができません。

 

仮に性交渉があったとしても、店側は明らかな違法行為を行っているので、浮気トラブル程度で口を割ることはないでしょう。証言をしてもらうこともまず不可能ですし、証明できるのは「性交渉に類似する行為」である程度に収まる可能性が高いです。

 

■風俗通いでも不貞行為とみなされるケース。

 

風俗店に通うことを法的に浮気とみなすのはとても難しいです。

しかし、次のようなケースでは例え風俗通いであろうとも浮気とみなすことができます。

 

〇店外で金銭をともなわない性交渉があった場合

 

風俗で働く女性とその客が交際するというケースはよくある話です。

その場合、風俗店ではなく、一般的なホテルで、一般的なデートをしている様子。もしくは部屋を借りてそこで半同棲状態にある様子などを確認できれば、法律上の不貞行為として互いの好意と、それに基づいた性交渉を証明できるでしょう。

 

 

〇個人売春から出会った関係の場合

 

インターネット上で行われている個人売春は出会い系サイトなどと通じ、出会った男性からお金を得ることで女性が性的なサービスを行うシステムです。

 

もちろん犯罪ではありますが、このような個人売春からはじまり、その後互いに好意を持った浮気相手となるケースも十分考えられます。

 

■不貞行為にはならなくても慰謝料請求や離婚はできる。

 

例え不貞行為にはならなくても、慰謝料請求や離婚請求は可能です。

 

不貞行為が立証できないからといって諦めず、疑わしいな一度調査してみると良いでしょう。