2018年5月に謎の変死を遂げた「紀州のドンファン」こと、野崎幸助さんの元妻が逮捕されました。

一代で財をなした成功者がなぜ非業の死を遂げなければならなかったのか?
お気の毒ではありながら、自業自得の部分もあるのは否めません。
ドンファンの事例を反面教師にして、本当に穏やかな老後を送りたいものです。

 

紀州のドンファンの女性遊びとは?

 

野崎さんは一頃、隆盛を極めた金融業で巨万の富を築き上げます。
そこまでにのし上がるには相当な苦労がありました。
貧乏の家に出て、「美女とエッチすること」を人生の最大の目標に掲げて、ひたすら金を追求してきました。

ということで、私どもが時折関わる愛人を何人も持つ資産家の方のスタイルと、野崎さんの女性遊びは一線を画しています。

資産家が愛人を持つ場合、子供を作って、次々と家を与えて、家庭をいくつも持つようになるケースがほとんどです。
「関わった女は一生面倒見る」スタイルですね。
資産家の多くが、女性を口説くことより、自分がここまで、女性の面倒をみて支配欲、征服欲を充たしたい願望があるからかもしれません。

反対に野崎さんの好みは、顔よし、スタイルよし、で年齢は20代前半。
それ以外の女性は女性じゃないとターゲットが絞られています。
当然ながらいくら顔良し、スタイル良しでも、誰だって年をとります。
年齢が上がると、また切り替えて若い女性とつき合うというわけです。
じいさんを若い美女が本気で相手にしてくれるわけがない。
そこで、野崎さんは「交際クラブ」というお金で愛人を斡旋するサービスを利用し、若い美女をとっかえひっかえします。

女遊びは金に糸目をつけませんが、その他のことには無駄な金は一切使わない主義。

野崎さんは、金持ちは往々にして、好きなものには金を出すが、その他には一切金を出さないケチが多いと断定しました。

 

本当に自分を愛してくれる、面倒見てくれる人と出会えなかった

 

そんなクラブの女性は男=金と割り切っています。
とても、老後の面倒を見てくれるタイプではありません。
野崎さんのほどの人だったら、もうちょっと女性のランクを落とせば、優しく老後の面倒を見てくれそうなタイプとも出会えたかもしれません。
しかし、生来面食いをやめられなかったようですね。

 

自分が資産家であることを公表していた

 

野崎さんがマスコミで有名になったのは、愛人にお金を持ち逃げされた事件からです。
そこから「紀州のドンファン」の名前が一躍有名になり、同名の著書も出版。
知る人ぞ知る人から、誰もが知る人になりました。
そこへ金の匂いを嗅ぎつけた人がすり寄るのは、当然と言えます。

 

資産家であることは危険もいっぱい

 

著書によると、野崎さんは銀行員にお金を横領されたり、強盗に襲われて足を負傷したりと、それ以前にも資産家ゆえの災難に遭っている事が分かります。

野崎さんの邸宅の周囲には、厳重に防犯カメラが配置だれ、防犯意識は相当高かったことが分かります。危険な目に遭った経験を経て、より警戒心が強くなったのでしょう。

警戒心が強い反面、どこか脇が甘い部分も見受けられます。

・自宅が騒ぎになっても、引っ越すことを考えなかった。
・防犯カメラだけを取り付けて、警備員を配置するのは嫌がった。

警備員を頼まなかったのは、防犯カメラよりも警備員の方がはるかに割高でしょうし、女性と遊ぶのに都合が悪かったからかもしれません。

 

ドンファンと加藤茶さんとは何が違うのか?

 

2021年冬に放送されたドラマ「俺の家の話」では、西田敏行さん演じる能楽の家元が、戸田恵梨香さん演じる介護ヘルパーと婚約。戸田さんは西田さんの子供達から真っ先に後妻業だと疑われます。

子供達には「加藤茶のケースなんて奇跡だからな」と釘を刺されます。
多くの高齢独身男性は加藤茶夫婦に憧れるようですが、なかなかレアケースのようです。

綾菜夫人の実家は資産家で、お金はいらない。
加藤茶さんに老人特有な頑固さや、上から目線なところが全くないのが幸いしているようです。

 

紀州のドンファンの晩年から学べること

 

野崎さんの自著と今回の事件の報道をふり返ると、

・全体的な視点でセキュリティを見直すべきだった。

警備員や自分を守ってくれる人を傭うなど、もっと大きな視野から、セキュリティ対策を考えなおすべきでした。
・晩年になっても最後まで自分の女性哲学を貫くべきだった。

著書では若い女性をナンパし続けると豪語していた野崎さんでしたが、その後、若い女性と結婚。それが今回の事件の犯人です。
年をとって女性をナンパしようにも、身体が動かない。
若い女性に側にいてもらいたいと思うようになり結婚を思いたったのでしょうか?
それが、結果的に命を縮める原因になったようです。
女性=若い、美人と割り切り、女性を入れ替えるスタイルを、生涯貫けばまだ結果は違っていたかもしれません。

・晩年にはあきらめて手じまいすることも必要

生涯現役を公言しただけに、女性への欲望の火は最期まで消えなかったようです。
人生も晩年に近づくと「もはやこれまで」と諦めて、捨ててしまうことも大事かなと思えます。
晩年の数々の災難がそれを警告していたように思うのですが……
成功者ほどなかなか退いたり、諦めたりすることを上手にできないようです。