離婚後、養育費の支払いを約束しても、それが守られないケースは後を絶ちません。
今回は、実際にあった養育費未払いと財産処分のトラブル事例をご紹介します。

 

養育費を払わない元夫——新しい家庭では幸せに、前妻と子供は置き去りに

 

 

離婚時に約束した「毎月10万円の養育費」——それなのに1円も支払わず

離婚時、元夫とは「子供のために毎月10万円の養育費を支払う」と合意し、公正証書も作成しました。
しかし、離婚してから一度も支払われることはなく、約束は形だけのものになってしまったのです。

そんな中、元夫は再婚し、新たに2人の子供にも恵まれて幸せに暮らしていました。
前妻との子供に1円も支払わず、自分だけは新しい家庭を築いていたのです。

両親が買ってくれたアルファードも勝手に売却

もう一つの大きな問題は車の件です。

私の両親が買ってくれたアルファードは、離婚時に「名義は夫のままだけれど、私は必要なときに自由に使える」という約束でした。
普段は軽自動車を使っていて、駐車場もなかったため、使いたい時だけ乗る形で良かったのです。

ところが、元夫はこのアルファードを一方的に売却。
450万円ほどの現金を手に入れ、そのお金も全て自分のために使ったようです。
私には、アルファードの価値の一部として50万円程度の支払いが命じられただけでした。

調停・裁判を経ても守られない理不尽

養育費未払いについては調停を行い、それでも解決しないため裁判へ進みました。
ところが、裁判では元夫が「再婚して新たな家族を養っている」という理由で養育費が減額され、
結果として子供への支払いはわずか月15,000円に……。

本来、再婚して子供が増えたとしても、前の家庭の子供を養う義務がなくなるわけではありません。
しかし、現実には「現状の収入や生活状況」を考慮して金額が決まるため、このような結果になってしまうこともあります。

元夫だけが幸せに? 残された側の悔しさ

この話には、強い理不尽さが残ります。
・再婚して新たな家庭では幸せに暮らしている
・前の妻子には1円も払わない
・妻の両親が買ってくれた車まで勝手に売って現金化

こんな不公平が、法律のもとでも完全に是正されるわけではありません。

養育費の取り決めは「絵に描いた餅」にしないために

この事例から学べることは——
✔ 離婚時に公正証書や調停調書を作っても、支払わない人は支払わない
✔ 車や財産の名義・管理方法は明確にしておく
✔ 養育費の不払いは法的に強制執行も可能だが、現実には困難が伴う

もし今、離婚を考えている方や、養育費の支払いで悩んでいる方がいれば、
「約束だけでは守られない現実」を知り、早めに弁護士や専門家へ相談することをおすすめします。

トラスト探偵事務所