探偵事務所の仕事依頼で年々増加しているのがいじめ調査です。
「いじめを解決するのに探偵を雇うなんて大げさな!」
わざわざ調査依頼するほどのものではないんじゃない?
探偵に依頼することでことが大きくなって、逆に事態が悪くなるんじゃ……
躊躇する声もあるかもしれません。

しかし、第3者が介入しないと収拾がつかない程、現代のいじめは複雑巧妙になっています。
その上、ほとんどの教師がいじめに本気で向き合うことを避けており、
かつての教師の役割を、今や探偵が担っているという現実があります。

 

 

現代のいじめはなぜ難しいのか?

 

NHKの「クローズアップ現代」に登場し、いじめ問題に関する著書も多いいじめ専門の探偵である安倍泰尚氏の著書「いじめと探偵」ではなぜ、いじめ相談が探偵事務所に来るかを語っています。

いじめの解決が難しい理由その1・本人がいじめられている事実を告白しない

いじめが表面化しづらいのは、学校と言う閉じられた空間で行われる理由もあります。
しかし、まず第一に厄介なのはいじめられている当事者が、いじめられている事実を認めない、むしろ隠そうとすることです。

子供と言えどもプライドがあります。
自分がいじめられているのはおおっぴらにしたくない気持ちは分かります。
しかし、本当の問題は、教師や親に対して絶望していることです。
こどもは悩みがあると、教師や親になんらかのサインを発しています。
しかし、サインを出しても気に止めなかったり、見て見ぬ振りを繰り返すと、
「ああ、この人たちに何を言っても無駄だ」
と、苦しみを自分の中に閉じ込めるようになると言うのです。

 

いじめのお加害者と被害者、親の態度の決定的な違いは……

 

阿部氏がいじめ相談を受けたケースでも、
子供がいじめられているにも関わらず無関心な親が多いといいます。
とくに父親が顕著だそうです。

子供がせつせつといじめ体験を告白している横で、親は下をむいてスマホをカチャカチャ。

一方、加害者側の家庭に出向くと、子供を溺愛して、「うちの子はいい子だ」
と思い込んでいる親が多いのです。
こちらは父親が異常なほど子供に気を使って、腫れ物に触るように接します。

何をやっても許される溺愛された子供が、親が無関心の子供をターゲットにするという図式が見えます。

 

いじめの解決が難しい理由その2・加害者の隠蔽が巧妙

 

昔はいじめっ子と言うと、パッと見たらすぐわかる見た目でした。
映画「今日から俺は!」そのものの分かりやすい格好でした。
同じ学校の気弱なやつを手下にしても、いざ他の学校のやつに手下がやられたら自分が守る……
そんな時代は過去のお話。
現代のいじめの加害者は見た目は普通の生徒と同じです。
ところが、今はいじめの被害者を人格のある人間とは、思わずオモチャのように扱っています。
さらに、傍目にはいい子に見えるし、本人も大人のいるまでで、いい子を装うのは朝飯前。
教師の印象もいいので、被害者生徒の言葉より、加害者生徒の言葉の方が信じられやすくなります。
昔の子供と比べてかなり、ずる賢くなっています。
そして、現代のいじめは欲望と直結し、カツアゲ、レイプ、万引強要、売春強要などもっと思い犯罪に直結しています。
その内容はあまりにも生生しいのでとても表現できません。
「いじめと探偵」本編をお読みください。

 

いじめの解決が難しい理由その3・学校が機能停止している

 

そしてなによりいじめ解決を遠ざけているのは学校の姿勢です。

被害者の親が訴えてもほとんどの学校はいじめ対策に動きません。
逆にいじめを隠蔽したいがために、
いじめ対策をしようとした教師を謹慎処分にする。
警備を強化、校則を強化するなどトンチンカンな施策を行う。
学校がほとんどです。

被害者は自力で立ち向かうしかないのです。
それにはいじめの事実を証明する確固たる証拠が必要です。
証拠がなければ、学校も加害者側もいじめを認めません。
主はいじめられている本人が、いじめられている現場を録音・録画することになります。
探偵の仕事は証拠集めのノウハウの提供です。
証拠が集まったら、やっと交渉がスタートします。
そこからは探偵の領分ではなく、当事者同士の話し合いとなります。

 

まとめ

 

最近ではリアリティーショーの出演者がSNSの誹謗中傷を苦にしての自殺した事件が話題になりました。
面と向かって悪口を言われてもないし、暴力を振るわれたワケではありません。
誹謗中傷をした加害者の方のプライバシーは守られているので、
どこの誰なのか特定することも、現行のルールでは難しいでしょう。

SNSの特定のグループから外されても、それを仲間外れと言うのか判断が分かれるところです。
世の中がどんなに便利になっても、人間が人間と暮らしていく限り、いじめをはじめ人間関係の苦痛は無くならないのでしょう。

いじめのレベルによっては、探偵を通り越して、警察に相談に行った方がいい場合があります。

子供SOSの相談窓口、またはいじめ調査が可能な探偵事務所へご相談ください。