政治家、医師、警察官、教師……悪事が発覚すれば、どんなに資格があろうが、実力があろうが全てを失ってしまうはずなのに、地位や名誉のある人の不祥事の後を絶ちません。地位のない人間には全く理解できませんが、そうした人には独特の心理が働いているようです。
その心理構造は浮気や不倫をする人の心理に近いものがあります。
地位のある人が悪いことをしてしまうメカニズムを紐解きながら、不倫・浮気をする側の心理を浮き彫りにしていきましょう。

 

 

 

モラルライセンシング

 

普段、世のため人のために仕事をしている人は、「自分は世の中の役に立つ仕事をしている。だから、「これくらいのことはやっていい」と勝手に自分で思い込み、善悪のものさしが普通の人とズレてしまい不正を行ってしまいます。これを「モラルライセンシング」と言って、不正を行う免罪符になります。
不倫をするときも、「家族のために身を粉にして働いているから、不倫ぐらいしても許される」と思い込んでしまいます。
この不正を防ぐには、本人が「世のため人のために働く」と信念を持って働くことが大切になります。
しかし、そこまで清廉潔白な人がこの世の中にどれだけいるか?
誰でもズルをする可能性があるために、相互に監視して、不正を防止するシステムが必要です。

 

監視のない環境が簡単に犯罪を生み出してしまう

 

警察官や教師の犯罪でもっとも多いのは、自身の地位を悪用した猥褻行為だといいます。
犯罪学者マーカス・フェルソンの提唱した「日常活動理論」は以下の数式によって、表現できます。
犯罪=(犯罪者+対象-監視者)(場所+時間)
教師の場合、猥褻の対象になる存在、つまり生徒がすぐ目の前にいて、しかも、自分を無条件に信用しているので、自制心がなければ簡単に猥褻行為ができる環境にあります。
警察官の場合、一般人では知り得ない事件関係者の個人情報を知り得てしまいますし、それを悪用して、猥褻行為に及ぶケースが多いようです。
いずれにせよ、全く監視者のいない状態で、対象と二人きりになれる時間帯や場所などを選んで行動することができます。
一般人の場合、普通に生活していても絶対に、いることができない状況に、誰にも怪しまれることなくいることができるのです。
さらに、学校も警察も不祥事が起きても隠蔽しようとする体質があるので、悪いことをしても咎められない、不問にされることで、罪悪感がなくなり、ますます歯止めが効かずに悪事がエスカレートしてきます。

これを不倫・浮気防止対策に応用するなら、監視体制をしっかり持つ、不倫をするかしないかの初期の段階で。発見してきっちりペナルティを与えることが重要です。
しかし、元々浮気性の人を誠実な人に更生させるのは、容易ではありません。