2021年プロ野球界に驚きのニュースが……
阪神タイガース、日本ハムファイターズで活躍した新庄剛志氏が日本ハムファイターズの監督に就任!
野球のプレーよりも破天荒なパフォーマンスが印象に残る新庄氏がまさかの野球の指導者になったことが話題になりました。
日本ハムの成績アップはともかく、2022年の野球界は盛り上がること間違いなしです。
阪神タイガースに入団以来衰えぬ人気で、ずっと仕事は順調で、人生のどん底なんてあじわったことがなかったのでは?
と思える新庄氏ですが、実は20億の大金を騙しとられて、窮地に陥っていたことがありました。
そんな事件の顛末と新庄氏の生き様を描いた「わいたこら」から、新庄氏はなぜそんな大金をだまし取られたのかを検証します。

 

 

横領は一番信頼できる身近な人が行う

 

新庄氏はプロ野球に入団したときから、兵庫の方で活躍している実業家A氏の人に、球団の年俸からCMのギャラまで全てのお金の管理を一括して信用して任していたそうです。
プロ野球に入る前に、親と共に訪れた自宅は大豪邸だったので、プロ野球の年俸くらいはなんとも思わないと思いこみ、以来A氏に金銭面は全てお任せだったのです。
しかし、プロ野球を引退してバリに移住することを決めたとき、現在の銀行残高を確認するために推定20億以上のお金が口座にあるはずが、2200万円しか残っていないと言います。
そこで、ようやく新庄さんはAさんが新庄さんの収入を自分の好きなように使っていたことに気がつきます。
後になって分かったことですが、A氏が羽振りよかったのはバブル時期の一時だけ。あとは
どのビジネスも資金繰りに困っており、借金の返済に新庄氏のお金を回していました。
しかし、分かっても後の祭り。
ごく親しい人でもあるし、A氏の不正を証明しようにも全ての書類を預けているので証拠を集めることもできないので、裁判で訴えることもしませんでした。
新庄氏のパブリックイメージから見ると、お金には完全に無頓着で、人をホイホイ信用してしまうお人よしのように見えるかもしれません。
実は新庄氏は簡単には人を信用できないタイプ。
自分の身の回りのことを手伝ってくれる人を選ぶときも、現金を口座に振り込むときも100万円と言っておいて、わざと101万を預けます。
そのとき、正直に「1万円多かった」と指摘してくれる人を採用すると言います。
つまり、最初は疑ってかかるが、一旦、信用すると、疑うことなくどこまでも信用する主義です。
これは人格的には素晴らしいですが、お金をだまし取られてしまうでしょう。
やはり、お金に対して完全に無防備にしていたら、最初から騙すつもりのない人でも、魔が差すきっかけを与えてしまいます。
お金の管理は厳重に自分で行うことが大事です。

 

親しいほどトラブル発生

 

2021年12月に、豊田恵美京都市議を夫・貴志氏が政務活動費を不正受給していることで告発しました。
夫の給料として計上していた人件費でしたが、貴志氏の方には全くまわっていなかったようです。
豊田夫婦は離婚協議中で、娘の親権をめぐって争っています。
家族経営の会社では家族の名前で給料として経費と計上するのはよくある手です。
しかし、身内の不正を告発するのは、通常は自分も世間から同じ目で見られるので、損することはあっても、得することはありません。
貴志氏が娘を手放したくないために、手段を選んでいられなくなかったのでしょう。

 

不正は防止できるのか?

 

組織の不正を研究している「不正研究会」では不正が発生する要因を普通の果樹園の中に突発的に現れる毒を持つ木のモデルにして、樹木医のように不正を俯瞰して眺めていて、不正が実行されるのを防ぐのを理想としています。
「不正の木」では土壌を企業風土や組織の空気、根は個人の天性の本質に例えています。土壌や根は既に完成しており、それを変えることはできません。
続いて幹は後天的悪習慣、枝を不正の実行の技術的な部分で、そこの部分は改善可能だと言います。
新庄氏や豊田の議員の夫の場合、もともと本人が口座を管理して、お金が入っているかどうかチェックしていれば、ここまで不正が長期化することはなかったかもしれません。
ちなみには「わいたこら」で20億円を横領されたエピソードはほんの一部。
ほとんどが新庄氏の底抜けのポジティブな生き方が満載で、読めば誰でも必ず元気になれる本です。
2019年には現役復帰宣言、2020年は合同トライアウトに参加しましたが。どの球団からも声がかかりませんでした。
でもこの挑戦があったからこそ、今回の監督就任につながったと言えます。
普通の人間ならば、20億円騙されたら、心が折れて沈んでいきそうですが、どんな逆境でも新庄氏にとっては、話しのネタにしか過ぎないようです。