かわいい動物の人形が登場することで見逃されがちですがNHK番組「ねぽりんはぽりん」はたとえ深夜番組だとしても生身の人間であれば絶対に放送できないようなハード状況の人の生の声が聞こえる希有な番組です。
12月3日に放送された「サレ妻(づま)・サレ夫(お)」つまり不倫された側の辛い体験を語っています。
当人自身が登場すれば必ず身バレの危険があるので、他の番組での出演はNGでしょう。
番組の内容を簡単にふり返ってみます。
ちなみに「サレ妻・サレ夫」はネット上で生まれて普及してきた言葉で、浮気された側の妻や夫をさします。
今回はその中からサレ妻の告白を再現しました。

 

 

サレ妻の告白

 

まず30代のアンコさんの告白です。
夫の不倫が発覚する前までのアンコさん夫婦仲は、となりに子どもが寝ていても寝る前には必ず「愛してるよ」「おやすみ」と愛を確かめる言葉をかわすほど自他共に認めるほどの仲の良さだったと言います。
不倫の兆候は夫がうつ気味で休職中だったときに起きました。
それまでは服を買うときは必ずアンコさんと同行してアンコさんが選んでくれていたのに、
1人で買い物に行くことが多くなりました。
ある日、一緒にリビングのソファに座っていたとき、夫のスマホにLINEメッセージが頻繁にかかってきます。
その後、夫はスマホをソファに置いてお風呂に入ります。
そこからアンコさんは夫のLINEメッセージをのぞくと、相手のハートマーク連発のメッセージとお互いのセックスの感想の言い合いです。
それだけでなくアンコさんの悪口まで入っていました。
見た目、体型、セックス、をこき下ろし、アンコさんを踏み台にしてトークをしていたのです。
相手は出会い系アプリを使って知り合った子持ちの人妻。いわゆるダブル不倫です。
激怒したアンコさんは風呂場にいる夫のところまで行きます。
アンコさんがスマホの画面を見せると、「夫は勝手に見るな!」と逆ギレ。アンコさんも「2人とも地獄を見せてやる!」と怒りをぶつけます。
しかし、風呂場から出てきた夫は「不倫は自分がしたんじゃない」と居直ります。
「不倫はうつ病がさせたもので、自分のせいではないと」言うのです。
その日のうちにアンコさんと夫の両親が自宅に駆けつけ六者面談が行われます。
夫の両親はアンコさんの両親がいる前では土下座しておきながら、両親が帰るとアンコさんに「世間体があるから離婚や慰謝料はなしにしてよ」と言います。アンコさんは「それは私が決めます」と毅然と言い返しました。
アンコさんは3歳の子どもの将来のことを考えて、夫との関係修復を考えました。
やはりシングルマザーでの子育てで万が一アンコさんが倒れたら、子どもが路頭に迷ってしまうと心配したからです。
まず、アンコさんは不倫相手の女性と電話をします。
最初、女性はアンコさん刃向かって、夫と結婚するつもりだと言いますが、アンコさんの1時間の説教で最終的にはアンコさんに謝罪するようになっていました。
後日、アンコさんは女性を呼び出し、不倫の事実を詳細に綴り、今後一切夫とは会わないという念書を書かせます。

 

アンコさんのサレラリ期

 

これで相手の女性との関係は切れて一安心ですが、アンコさんは夜に不倫を発見したLINEのメッセージがフラッシュバックして、苦悶するようになりました。
でも、そのとなりには何も考えずスヤスヤ眠っている夫の姿。
「なんで私だけこんな辛い思いをしなきゃならないの?」
アンコさんは怒りのあまり、夫の首に手をかけて力を入れようとしますが、横には子どもの無邪気な寝顔を見て、殺害を思いとどまります。
でも、フラッシュバックが続きます。
不倫相手の女性に似た髪の長さの人を見たり、街角でラブホテルの看板を見ると心臓がバクバクしたりして、不倫を発見したときの嫌な気持ちが蘇ります。
それはアンコさんにとってのサレ妻界でよく言われる「サレラレ期」でした、パートナーの不倫を知ってしまうと、正常な思考や行動ができなくなる期間を言います。
アンコさんはひどい裏切りをした夫を振り向かせたいと思ったり、抱いてもらうように自分からお願いしたりしました。
それでも、夫は最中でもアンコさんの目を合わせません。
アンコさんは自分が嫌いになって、メンタルはボロボロになります。
またフラッシュバックに襲われたとき、夫から「俺はこれから一生お前に謝っていかなきゃいけないのか?」と言われます。
夫は加害者の自覚がないと知り、そこで夫への気持ちが一瞬に冷めてしまい、慰謝料なしで離婚を決意しました。
アンコさんのように離婚を決断する人もいますが、今後の生活を考えると離婚を決断できず夫の不倫2年以上黙認している人も紹介されていました。
なかなか将来の収入の不安定を考えると、アンコさんのように思いを断ち切って、離婚できる人は少ないようです。
さらに不倫で離婚した後は、かつての付き合いのあったママ友や友人からも避けられたり
男性を見る目が厳しくなったりします。
MC山里氏は「不倫は家庭というレベルではなくて人間としての大事なものをたたき割ってしまう」と指摘しました。